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松ぼっくり 東海道ウォーク 由比−興津 松ぼっくり


広重東海道 広重東海道
(由比ー薩タ峠)
 薩タ峠より駿河湾の向こうの富士山を描く。箱根の山と同じく崖の傾斜は誇張してあるが実に見る者を引き付ける構図である。
 この絵では宿場名が由井となっている。
 由比・興津地図


 こと東海道ウォークに限って言えば面白さ、見所の多さでは静岡県随一の区間である。本陣公園から桜海老を中心に魚介類を並べた魚屋や、奥行きの長い独特の家並み。そして江戸時代にタイムスリップしたような気分にさせる倉沢を通り、難所薩タ峠へ続く。
 この区間は東海道ファンでなくても十分楽しめるハイキングコースである。

本陣公園 井戸 広重美術館
入場券
 まずは広重美術館もある本陣公園(写真左)を見る。立派な門をくぐるときれいに整備された芝生がある。写真左端に写る物見塔や常夜灯、写真中央の井戸などを見ることができる。
 
 広重美術館(写真右)も一見の価値ありだ。宿場町由比を再現したミニチュアなどがあったり、歌川広重の浮世絵の展示場がある。期間を区切っていろいろなシリーズを展示しているらしいが、私が行った時はラッキーにも保永堂版の東海道五十三次が展示してあった。

 美術館の係員のおじいちゃんに浮世絵のこと、広重のことをいろいろ聞いた。私のような素人にもわかりやすく一生懸命に説明してくれた。恥ずかしながら浮世絵とは版画が多いことをこの時初めて知った。

左は広重美術館の入館券


正雪紺屋 正雪紺屋 倉沢

 東海道をはさんで本陣公園の正面に由比正雪生家(写真左)がある。由比正雪とは江戸時代の軍学者で、幕府転覆を企てた慶安の変の首謀者だそうだ。生家は代々紺屋を営んでいる。中に入るとみやげ物を売っているが、その横の土間には藍瓶が並んでいる(写真中)。

 由比港は桜海老で有名。生の桜海老は静岡県周辺でしか簡単には食べれない。すぐに鮮度が落ちてしまうからだ。私が清水に住んでいる頃、そりゃもう良く食べた。甘海老の様な味に海老の殻の歯ごたえが良く、こんなに美味いものかと感心したものだ。
  
 余談になるが静岡県の一部ではいるかを食べる習慣がある。スーパーにも黒光りした皮付きの肉が並んでいる。やや生臭さがあるため、味噌で煮て食べることが多い。私も食べてみたが、食べ慣れないせいか美味いとは思わなかった。

 そんな由比の町を進むと、旧街道らしさを十分に残した倉沢へ着く(写真右)。ここに桜海老の釜揚げご飯が絶品の倉沢屋がある。もちろん刺身やかき揚げの桜海老、サザエのつぼ焼きなどもグッドだ。
一里塚 さった峠 さった峠

 倉沢から難所薩タ峠への登り口に一里塚跡(写真左)がある。苦労の前に一服する場だったのだろうか。
 
 みかん畑の中(写真中)をどんどんと急勾配を登っていくと、広重の絵で有名な光景(写真右)が見える展望台に着く。下を見ると海と山の狭い間に、国道一号線、東名高速、東海道本線が重ねあうように通っている。日本の大動脈ここにありといった感じである。残念ながら新幹線は山の中(トンネル)である。ここが崖崩れでもあったら大変だろうなと思いながら下って行くと興津宿となる。