ブルース


大学時代に黒人ブルースにハマりました。
高校まではクラプトンなど白人ブルースロック中心に聴いていましたが、
段々と聴きたいと思うアーティストがいなくなり、
同時に中途半端なブルースでは物足りなくなってきました。

現在ではほとんどのCDショップで純粋なブルースコーナーは無くなってしまいましたが、
当時は数は少ないものの探せばけっこう見つかったものです。
しかし、やはり質量ともに豊富なのは輸入盤専門店でした。
ディスクユニオンやディスクインなど、新宿や吉祥寺などでひんぱんに行って物色してました。




バディ・ガイ (BUDDY GUY)


ジュニア・ウェルズのアルバムに、必ずと言って良いほど参加していたブルースギタリストです。
ジュニア・ウェルズとの作品では結構控え目なギターが多かったです。

しかし、リーダーアルバムのライブ盤などでは、R&Bやロック色の強い、強烈なギターフレーズがメインとなっています。

そんな中での私のお薦めは「I've got the blues」です。
これはスタジオ盤で、一時のブルースブームも去った後のアルバムですけど、ここでのブルースギターはカッコ良すぎ。
特に最初のタイトル曲とか、私がブルースの中では最も好きな曲のひとつである「Five long years」なんかは聴きやすくもあり絶品ですよ。


2007-02-26 )



バディ・ガイの「Sweet Tea」は全曲カッコ良過ぎです。
ギンギンにロックっぽいブルースなんですが、迫力ではブルースの名盤であるマジック・サムのライブ盤に匹敵するのではないでしょうか。(これは誉めすぎかな?)

バディ・ガイってジュニア・ウェルズとの共演などでブルースマンとしての実績充分なんですけど、何故だかブルースマンらしくないというか、ブルース独特の重々しさや退廃的雰囲気が感じられないんですよね。
現代的陽気なブルースおじさんってなとこでしょうか。


2007-11-08 )



モントレージャズフェスの動画で「Sweet Home Chicago 」。
さすがモントレーの観客って感じ。









B・B・キング


ブルース界の大御所中の大御所であるBBキングです。
「ロック・ミー・ベイビー」、「3オクローク・ブルース」など有名な曲は沢山あります。
ただ個人的にはBBのレコードはあまり聴かなかったです。
背広姿でギターかかえてブルース歌う姿もあまり好きになれなかった理由のひとつですかね。

それよりもBBの曲を他のアーティストが取り上げてカバーした曲の方が好きですね。
例えばジミヘンの「ロック・ミー・ベイビー」のように。
またエリック・クラプトンがBBキングの影響を受けているとの話しがある為、ロックファンにもBBの名が知れています。


2007-10-01 )



「ロック・ミー・ベイビー」








マディ・ウォーターズ (Muddy Waters)


ブルース界の大御所のひとりです。
有名な曲は数多くありますが、私はなんと言っても「Got My Mojo Working」です。
大学時代の友人がライブで歌っていたのですが、正直、マディ・ウォータースより上手かったです。
この曲を聴くたびに友人を思い出してしまいます。

最近は全く流行らないブルースも、クラプトンやジミヘンなんかがバリバリ演奏していた頃は、このマディ・ウォータースなんかも便乗して表舞台に顔を出していました。
「ファザーズ・アンド・ソンズ」ではポール・バタフィールドやマイク・ブルームフィールドなどの白人ロックアーティスト達が参加してました。

またローリングストーンズが「ラブ・ユー・ライブ」で「Mannish Boy」をマディ・ウォータースそっくりのアレンジで演奏してましたね。
ブルースの新譜が出たとの情報もほとんど聞かないので、多分次世代のアーティストも育ってないんでしょうね。


2007-06-30 )










ルーサー・ジョンソン (Luther Johnson)


ルーサー・ジョンソンなる名前のブルースマンは何人かいますが、私が気に入っているのはミドルネーム「スネークボーイ」のルーサー・「スネークボーイ」・ジョンソンです。
やや地味ですがけっこうカッコ良いブルースを演奏するギタリストです。

私の聴いたアルバムではどれもシンプルなバンド編成で、飾り気の無いフレーズをたんたんと弾いていました。
ボーカルもなかなか良い声をしているのですが、ギターに同じく地味目です。

代表曲「Woman Don't Lie」のように曲自体はわかりやすくロックっぽいのも多かったので、当時流行っていた派手なアレンジをすれば、かなりメジャーになれた気がします。
ただその様な目立つことはしないで、もぞもぞとバンドブルースを演奏しているルーサー・ジョンソンに好感を持ってしまったりするのでした。

2007-06-05 )







オーティス・ラッシュ (Otis Rush)


ヘビーなブルースギターと迫力のボーカルで人気があったブルースマンです。

スタジオ盤よりもライブ盤の方がオーティス・ラッシュらしさが感じられ、数々の白人ブルースロックアーティストが彼のナンバーを取り上げたのにも納得できます。

代表曲のひとつであるロックっぽい「All Your Love」もカッコイいですけど、いかにもヘビーブルースらしい「So Many Roads」は素晴らしいの一言です。
個人的に不満があるとすれば、あまりにキマリ過ぎているのでブルースらしい「いい加減さ」みたいのがちょっと足りないかななんて感じたりはしますが。

2007-03-22 )










ハウリン・ウルフ (Howlin' Wolf )



ブルース界の大御所のひとりです。
名前のハウリン・ウルフを直訳すると「吠える狼」ですが、図太い声ゆえに「うなる熊」といった方がしっくり来ます。

白人ロックバンドとの交流も積極的で、エリック・クラプトンやローリングストーンズのメンバーらと吹き込んだ「ロンドンセッション」はブルースロックの代表的アルバムとなっています。
私としてはクラプトンのしなやかなギターに図太いだみ声ボーカルは、今ひとつしっくり来ないような気がしますが、ミック・ジャガーを3倍くらい図太くした声は個性たっぷりです。
それだけでも聴く価値があります。

ただ昔のブルース全体に言えることなんですが、輸入盤の中には、どう考えても適当に作ったなと感じられてしまう物があります(特にヨーロッパ盤?)。
たまたま運が悪かっただけなのか私もハウリン・ウルフで練習を録音しただけのようなアルバムを買ってしまったことがあります。
皆さん、得体の知れないレーベルの輸入盤を買う時はある程度は覚悟が必要ですよ。


2007-03-12 )



動画はエルモア・ジェイムスの「ダスト・マイ・ブルーム」








フレディ・キング (Freddie King)


ブルース界の3大キングの一人です。
フレディ・キングに関しては数あるアルバムの中から5枚程度しか聴いていません。
しかもどれもゴリゴリのアーバンブルースではなく、どちらかと言えば白人向けの商業主義的アルバムです。

特に「Burglar」はカッコイいアルバムなんですが、ブルースとしては「なんだかなぁ。」と思ってしまいます。

ただブルースを聞き始めたばかりの頃に買った、名曲ばかりを集めた「Getting Ready」は軽い感じながら、ブルース入門編にはもってこいアルバムでした。
これは何だかんだ言っても良く聴きましたね。


2007-02-11 )






アルバート・キング (Albert King)



B・Bキング、フレディ・キング と共にブルースの3大キングと呼ばれる大御所の1人です。

日本ではこの3キングの中で、アルバート キングが知名度では最も低いと思われます。
他の2人がポップやロック色の強いヒット曲やロック・POP系のアーティストとの競演が多いのに対し、けっこう真面目にブルースをやっていることも影響していると思われます。

しかし、2枚組のライブアルバム「ライブ」はアーバンブルースのカッコ良さがぎっしりと詰まったナイスアルバムですよ。


2006-10-20 )






ルーサー・アリスン ( Luther Allison)


エリック・クラプトンやマイク・ブルームフィールドなどの白人ブルースロック系が好きな人にはおすすめな、粋な感じがする黒人ブルースマンです。

シャウトするボーカルとカチッとしたギターフレーズが、ロックに近いブルースとなっていてかっこいいです。

曲も白人ブルースロックバンドがよく演奏する「ミッシン・ウィズ・ザ・キッド」や「ファイブ ロング イヤーズ」などが並び、ややもすると受け狙いすぎ感もありますが、これも黒人ブルースマンの現状ということで許すことができます。
私のお気に入りアルバムはジャケットもかっこいい「サウスサイドサファリ」です。


( 2006-05-08 )










ジュニア・ウェルズ (Junior Wells)


もう亡くなってしまいましたが、ジュニア・ウェルズというけっこう知られたブルースマンがいました。
ハーピスト(ハーモニカ)としても人気があったボーカリストです。
ややブルースらしさを強調し過ぎる歌い方(演歌で例えるとコブシのまわしすぎ)をしますが、そこが良いところでもあります。

アルバムによってはやたらポップなアレンジがなされたものがあり、それが売上枚数的には好調だったりするジュニア・ウェルズですが、ブルースらしい雰囲気満点のアルバムも勿論あります。
その代表が「South Side Blues Jam」です。

相棒のバディ・ガイとピアニストのオーティス・スパンがサポートして、思う存分ブルースを歌っています。
ギタリスト以外のリーダーアルバムでは私的にはベストブルースアルバムです。

2006-03-01 )











マジック・サム (Magic Sam)


もうなんというか、ものすごいブルースマンです。
海賊盤と同じく、観客が勝手にテープに録音した音源が世に出回っていますが、下手なスタジオ盤より数段マジックサムの素晴らしさを伝えてくれます。
雑音入りまくりの音質の悪さが、逆にブルースの荒々しさを演出しているようです。

有名なライブアルバム アンアーパーフェスティバル の最初から最後までボーカルとギター両方の圧倒的パワーで突っ走ります。
多くのブルースマンやロックバンドも演奏しているブルースの名曲、Sweet Home Chicago はこのマジックサムのカバーが断トツの出来ではないでしょうか。

若くして亡くなってしまいましたが、それがかえってロック界でのジミヘンやジャニスジョプリンのように、ブルース界の伝説みたいな存在になっています。

2005-11-19 )











J・B・ハットー (J.B. Hutto)


J・B・ハットーの名前を知っている人ってあまりいないと思います。
この人、二十年前程前にそれなりに活躍していた黒人ブルースマンです。
実は私がこれまでで一番のめり込んだ音楽ジャンルって黒人ブルースなんです。黒人ブルースってどんな音楽かも知らない人が多いので、私が「黒人ブルース好きだ」なんて言うと、私と同年代の2人に1人は「淡谷のり子か?」と聞き返してきます。
その人達に説明するのも面倒だし、中にはこいつ変わったやつだと思われてしまうこともあり、社会人になってからはあまりブルースのことは口に出さなくなっています。
ところがところがです。先日(と言っても、もう二年前ですが)ブルースレコードを探しに足繁く通っていたレコード店の当時の店長とばったり会ってしまったのです。
その店とは新宿にあるディスクユニオンという輸入盤を多く扱っている店で、今はどうなっているか知らないのですが、当時は地下にジャズやブルースの輸入盤が置いてありました。
ジャズメンの写真が貼られた地下に通じる階段を、一歩一歩降りて行くに連れ、薄暗くなっていくと同時にアンダーグラウンド的雰囲気がジャズとブルースの世界に連れてってくれるのでした。
地下の扉を開けて、ブルースやジャズが大音量で流れる暗い店に入った時の気分はすでにブルースマンなのでした。

まぁ、そんな店に足繁く通っていた私はその店の店長だった人と会えることが出来たのです。
やっぱり嬉しかっですね。なんか学生時代に戻ったような気分になりました。
学生時代に足繁く通ったレコード店の店長と私は、当時の話しで盛り上がりました。
元店長は流石に良く知っていてJ・B・ハットーに近いタイプのハウンドドッグテイラーやエルモアジェイムスのこと、更にそれらブルースマンのアルバムのレーベル、例えばアリゲーターやバロンのことなどを短い間でしたが本当に楽しい会話の時間でした。またいつかじっくりと話し合いたいものです。

で、話しをJ・B・ハットーに戻します。どうもこの頃の昔話になるとついつい年寄り根性丸出しのだらだら長話になってしまいます。

J・B・ハットーの最大の特徴はスライドギターなんですがアルバムによってかなりタイプが違います。
蚊の泣くようなピヨヨーンって感じだったり、エルモアジェイムズばりの荒々しい感じだったりと様々です。
私はバロンレコードから出ているライブでのパフォーマンスが最も好きです。
私が一番好きなバロンレコードのライブ盤は攻めまくりの曲が最初から最後まで続く、とてつもなくヘビーなアルバムです。
もちろん曲はブルースでリズムもブルースなんですが、サウンドが熱いんです。
ジミヘンのライブと同じくらい熱いです。
もちろんジミヘンみたいにギターの早弾きだったり、ギューンとかギャオーンとかヒヒーン(あっ、これは馬か)は無いんですが、本当に熱く、熱く、更に熱いです。
ブルースは基本的に熱くないとブルースらしくないんですが、黒人にしか出せない絶対的熱さがびんびんに伝わって来まず。
このアルバムは文句無く私にとってのベストブルースアルバムです。


2005-09-29 )










ハウンド・ドッグ・テイラー (Hound Dog Taylor)


アンダーグラウンドなバンドブルースで最も激しく、楽しく、荒っぽいのは過去現在通してもハウンド・ドッグ・テイラーがナンバー1ではないでしょうか。

ボトルネックギターをかき鳴らし、ブルースやブギをガチャガチャ演奏してました。
風貌からしていかにもバカっぽく、かつ本能のまま生きてますって感じで音楽にマッチしてて魅力的でしたね。

小さなライブハウスで大音量で聞いてみたかったブルースバンドです。