ジャズ


ジャズプレイヤーと呼ばれる人達が演奏する音楽は、大きく本来のアコースティックによるものと、
シンセサイザーで電気処理された音やロックを取り入れた音楽に分けられます。
私はどちらも好きですが、特にお気に入りは前者のアコースティックではコルトレーン、後者ではハービー・ハンコックですかね。
どちらの音楽にせよ、ジャズ屋さんの演奏は安心して聴き入ることが出来るし、
気分が落ち着いている時にじっくり聴く音楽としては最適です。





ジョン・コルトレーン (John Coltrane



私はジャズはそれほど詳しくありません。
ただジョン・コルトレーンだけは良く聴きました。
しかもマッコイ・タイナーやエルビン・ジョーンズらと演奏していた頃のライブ盤ばっかり。

ウ"ィレッジウ"ァンガードでのライブが有名ですが、それ以外でもどれも期待を裏切らない圧倒的パワーで演奏しています。
極めつけはこの頃のライブ音源を集めた7枚組の「ライブ・トレーン・ジ・ヨーロピアン・ツアーズ」は飽きるくらいコルトレーンを満喫できます。
「マイ・フェバリット・ソング」はなんと6テイクが収録されています。
勿論「インプレッションズ」などのお得意ナンバーも複数テイク収録されています。
コルトレーンのライブは即興的なインプロビゼイションが聴きどころなので、同じ曲であっても別テイクであれば全く別の曲のごとく楽しめます。
こんな気にさせるアーティストって私にとってはエリック・クラプトンとジョン・コルトレーンだけですね。

その中でも私の最高のお気に入りは61年ウ"ィレッジウ"ァンガードでの「チェイシン・ザ・トレーン」です。
これはコルトレーンとしては平均的長さの演奏ですが、最初から最後まで「これってアリ?」状態の迫力です。

これだけすごい演奏が出来るのも他のメンバーの実力によるものかも知れません。
私にとってはマッコイ・タイナーはアコースティックなピアニストで一番好きな演奏家ですし、エルビン・ジョーンズは最もかっこいいドラマーです。
このユニットにベースのレジー・ワークマンが加わってベストメンバーでしょうか。
ところで私の仕事場では常に時代の先端を演出するBGMが流れています。
必ずしも最新の音楽でなく、その場に合った様々な曲で構成されているのですが、最近はジャズ系がメインになってます。
ジャズボーカル曲やエリカ・バドゥなどに混ざってコルトレーンのライブ盤が流れています。
現在でも色あせて無いどころか、逆に最近の若者にはけっこう新鮮なんでしょうね。

最近の黒人音楽では伝統的なジャズとかブルースなんかは、あまりパッとしません。
私も最も活気があった60年代はまだ子供だったので、直接は知らないものの、まだその余韻が残っていた頃の感動を経験しているので、最近の音楽も面白いんてすが、それでも中年おじさん丸出しに思ってしまいます。
「昔はよかったなぁー。」って。


2007-05-30 )




全盛期の様子を動画で。「My Favorite Things」








スタンレイ・クラーク (Stanley Clarke)


スタンレイ・クラークはエレクトリックベースの名手と言われていたジャズ系のベーシストです。

チック・コリアとの交流で有名ですが、私はギターのジェフ・ベックなんかも参加して発表した2枚組アルバム「I Wanna Play For You」が一番好きです。
それまで裏方さん的存在だったベースをリード楽器にもなることを証明した超早弾きベースは画期的でしたね。
特に「スクールデイズ」は約20分に及ぶギターとベースの文字通り「壮絶バトル」でした。
ちなみに「スクールデイズ」のギターはレイ・ゴメスですが、ずっとベックだと思っていた私は、レイ・ゴメスだと知った時はちょっとがっかりしました。

学生時代に、この曲を録音したテープをクラブの合宿に持って行き、皆で「カッコイいー。」とか言いながら聴いたのを覚えています。

2007-03-19 )










マイルス・デイビス (Miles Davis)


私にとってマイルス・デイビスとは「Bitches Brew」が全てなんです。
マイルスのアコースティックやらエレクトリックなアルバム数あれど、「Bitches Brew」がスゴ過ぎて他のアルバムを聞く気になれないくらい気に入ってます。

フリー感覚なジャズを大胆にエレクトリックサウンドに仕上げてます。
聴き始めた頃はこんなに自由な音楽があるんだとビックリしたものです。
他のアーティストのこの手のアルバムも次々と発表されているのでしょうが、「Bitches Brew」がダントツの出来ではないでしょうか。
と言うか、私にとってはこれ以上の昔風に言うクロスオーバーのジャズアルバムがあってはいけないのです。

ほんと、最高です。


2006-02-24 )



「Bitches Brew」。
キーボードはチック・コリア。最高。








ロン・カーター (Ron Carter)


ロン・カーターは、マイルス・デイビスグループのベーシストだったことで有名です。
その後、他のメンバーはかっこいいエレクトリックサウンドなんかやってましたが、ロン・カーターはあまりやらなかったみたいです。
何曲かエレクトリックべースの曲を聞きましたが、正直あまりピンとこなかったです。
あんまり似合わないんですよね、かっこいい音楽が。
なんてかなり見た目での先入観もあったりして。

ロン・カーターのアルバムの中でスゴく好きなアルバムがあります。
ピッコロペースという普通のウッドペースを一回り小さくした楽器を使ったアナログでは2枚組のライブ盤は素晴らしいですよ。
タイトルはズバリ「ピッコロ」だったと思います。

ベーシストのリーダーアルバムって、あまり良いと思ったこと無いんですけど、これだけは「かっこいい」ですよ。

2006-02-18 )



マイルス・デイビスの「Walkin' 」
ピッコロベースではないのですがロンカーターらしい演奏です。








ビル・ラズウェル (Bill Laswell)


ハービーハンコックのロックイットなどの前衛的音楽のプロデューサーとして有名なビルラズウェル。
私が最初に知ったのは学生時代にプロデューサー兼ベーシストとして活躍していたマテリアルというプロジェクトである。
その他、ゴールデン・パロミノス、ラスト・イグジットなどでフリージャズ的要素を取り入れながらかなり面白いことをやってました。
本人が参加しているプロジェクトはもちろん、ハービーハンコックや近藤等則などプロデューサーとして参加しているレコードを新宿ディスクユニオンの輸入盤コーナーでせこせこと探しては買ってました。

私のお気に入りはソロで出したアルバム「ベースライン」やゴールデン・パロミノスでしょうか。
ベーシストだけあってベースがビンビン響く曲がカッコ良かったですね。

2006-01-20 )



動画ではないですがマテリアルでは一番のお気に入り曲「メモリー・サーヴス」








ウイントン・マルサリス (Wynton Marsalis )


現在のところ、マイルス・デイビス以外でよく聴くことがあるジャズトランペッターはウイントン・マルサリスだけです。
フレディー・ハバードとか日本でも日野皓正とか有名なトランペッターはいますが、何故かエレクトリックサウンドが多くて個人的に今一つなんです。

その点ウイントン・マルサリスは基本的にジャズっぽくて好きです。
特に「ブルースアレイ」の2枚組ライブ盤は熱い演奏が次から次へと現れて素晴らしいですよ。

その熱い演奏を夏の暑い日に聴いてたら暑苦しくて聴くの止めたくらいです。
いやっ、この話しは受け狙いの作り話ではなくてほんとの話しです。

2008-12-05
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M J Q


モダン・ジャズ・カルテットの頭文字をとって一般的にはMJQと呼ばれているジャズ屋さんです。
もう何十年も前に活躍して、すでに解散してますが、その解散コンサートの2枚組ライブ盤がとても楽しいアルバムになっています。
「Django」「Bags'Groove」などベスト盤的要素もあり、さらっとMJQをかじるにはもってこいです。
特に「Django」でのベースが最高にかっこ良いですね。

ずい分昔にFMレコパルなる雑誌があって、そこにアーティストのエピソードなどを盛り込んだ漫画がありました。
その漫画でMJQが大人気のビートルズをうらやましがる1コマがありました。
「俺たちは一生懸命演奏してるのにあまりお金にならないなぁ。ビートルズは一晩で大金稼ぐのに。」
「仕方ないさ。彼らはショービジネスの世界で、我々はミュージシャンなんだから。」
なんて内容だったと思います。
当時のアコースティックなジャズ屋さんの本音なんでしょうかね。

2008-08-18
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「Bags'Groove」
再結成後の演奏と思われます。








ジョー・パス (Joe Pass)


ジャズギターの大御所のひとりです。
学生時代に何の曲かは覚えていませんが、単音を軽快に弾く「いかにもジャズ」なジョー・パスを聴いて「ジャズギターはこういうもんだ」みたいなイメージが今だに頭にこびりついています。

同じジャズ系にジョン・マクラフリンやラリー・コリエルーなど、多くのマイルス・デイビスと共演したりしてファンキーな演奏しているギタリストがたくさんいますが、彼らのようなロック色が入った派手さが無い代わりに、「普通のジャズおじさん」であることが逆に存在感があります。

ただ、結構有名なアルバムは「Virtuoso」をはじめとしてソロアルバムが多くて、どんな楽器であれソロはあまり好きでない私にとっては、ちょっと残念なんですけどね。

2008-12-28  )



ピアノはオスカー・ピーターソン








ジョー・ヘンダーソン (Joe Henderson


ベテランのジャズテナーサックス奏者です。
70年代にはロックバンドのブラッド・スウェット&ティアーズにも参加していた変わった経歴もあります。

そのせいかはわかりませんが、ロック好きな私には何故かフィットします。
別にエレクトリック楽器を全面に押し出すわけでも、ポップな曲を演奏するわけでもないのですが、私のような素人ジャズファンにも聴きやすくなっています。
きっと適度にハードで黒っぽい音がロックに通じる何かがあるのだと思います。
なんてわかったようなことを適当に言ってみたりして。

アコースティックジャズが本職の中、エレクトリックな楽器を多様したライブアルバム「Blue Bossa Live 1987」も素晴らしいです。
なにしろ黒っぽいんです。
どこかのブルースマンが歌い出しそうな雰囲気を持っています。
この手のジャズはありそうであまり無いですよね。

2009-05-04  )










ストーン・アライアンス (Stone Alliance


ストーン・アライアンスは、スティーブ・グロスマンをメインにしたピアノレスのジャズトリオです。
3枚のライブ盤を聴きましたが、どれも熱いサックスが響き渡ってます。
エレクトリックベースを使用しているのでロックっぽくもあり、ジャズにしてはノリやすい曲が多くなっています。

本来、私はジャズのエレクトリックベースは全体がちゃらくなってしまうので、あまり好きではありません。
ただし、このストーン・アライアンスはサックスがゴリゴリと押し込んでくるので、リズムにノリやすいエレクトリックベースの方が合っているような気がします。

ところで同じ楽器編成でこのタイプの音楽を、西武新宿線の新宿駅前でストリートライブをやっているグループがあります。
これがけっこう上手くて、いつもそれなりに観客が集まっています。
このグループを見る度にストーン・アライアンスを思い出してしまいます。

2009-11-16  )