ジャズヴォーカル


ジャズ演奏をバックにムーディーなヴォーカルがかぶさるジャズヴォーカル音楽。
スタンダードからポップ、ロックまで様々なナンバーが阿智着いた雰囲気で流れます。

どちらかと言えば最近の録音の方が聴きやすいですね




ヘレン・メリル (Helen Merrill



もう半世紀ほど前から活躍していた女性ジャズシンガーです。
ジャズシンガーと言えばヘレン・メリル、ヘレン・メリルと言えばジャズシンガーと思っている人も多い、女性ジャズシンガーの代名詞的存在でもあります。
それと私が若い頃は個人的な思い込みかも知れませんが、ヘレン・メリルを聴いている人はセンスの良い人とか感じてました。
なんか生き方そのものがセンスが良いような・・・。(思い違いかな?)

代表曲はなんといっても最近でもCM曲で流れたりする「You Be So Nice to Come Home To」です。
この曲はスタンダードとして多くのジャズ屋さんが取り上げてますが、やはりヘレン・メリルが貫禄勝ちですね。

ただヘレン・メリルは「You Be So Nice to Come Home To」のような分かりやすくPOPな曲はあまりなく、アルバムの多くはささやくようなバラードです。
バラードがあまり好きでない私ですが、「Summertime」や「Don't Explain」などは何度聴いても飽きないような魅力があります。


2009-11-29  




おなじみHelen Merrill with Clifford Brownで「You'd Be So Nice To Come Home To 」
80年代くらいの動画もあったんですが、やっぱりこれでしょ。








ホリー・コール (Holly Cole)



正式にジャンル分けすると、どこに入るのかわかりませんが、ジャズ風味の訳ありっぽいアレンジの曲が多い女性ボーカリストです。

何枚かのアルバムを発表していて、私の最大のお気に入りはトム・ウェイツのカバーアルバムっていう感じの「Temptation」です。
他のアルバムと比較して、全体的に癖のある曲を、どことなくアンダーグラウンドっぽく仕上げているのが魅力です。
私が好きな浅川マキにちょっとだけ相通じるところがある個性的なアルバムです。

彼女の曲の中では「コーリング・ユー」が有名ですが、そんなスタンダードよりも「Temptation」の中の「Jersey Girl」や「Fran's Theme」、「Little Boy Blue」の方がインパクトあって好きですね。
他のアルバムもスタンダード集みたいのではなく、このアルバムみたいなアレンジの曲を揃えてもらえたらうれしいのですが。


2010-02-07  )


「Jersey Girl 」









カサンドラ・ウィルソン (Cassandra Wilson )


CDショップではジャズシンガーとして扱われているケースが多い、黒人シンガーです。
エキゾチックな曲で人気のシャーデーをジャズっぽくした感じで、ジャズよりR&Bに近いような気がします。

けっこう多くのアルバムを発表していて、「Blue Light」や「Traveling Miles」はサウンドを含めてお気に入りです。
どんな曲もジャズ&ソウル風味にしてしまうアレンジが良いですね。

最近(と言ってもここ20年くらいで)人気のある女性ジャズボーカリストは、レパートリーが広いですよね。
ジャズやR&Bなどのジャンル分けはどうでも良くなってきています。
例えばダイアナ・クラールやホリー・コール、日本だったらakikoや村上ゆきなどです。
カサンドラ・ウィルソンのポップスカヴァー曲だとシンディ・ローパーの「Time After Time」なんか良いですね。

2011-01-09  )





タニア・マリア (Tania Maria)



ブラジルの女性ジャズピアニスト兼シンガーです。
ピアノを弾きながら、ブラジル人らしくジャズにサンバをプラスした曲を歌っています。

スローな曲ではスキャットを大胆に取り入れたクリスタル風で、美人な歌姫がしなやかにピアノの弾き語りしているのを想像してしまいます。
ところがどっこい実際は、、、、、。
いや、容姿の話はあえてやめておきましょう。

ジョン・レノンの「イマジン」をみごとにブラジル風ジャズナンバーに仕立て上げてます。
これは真面目に絶品ですよ。


2007-04-27 )



残念ながらぴったりの動画が見つかりませんでした。
当時の名曲「Tranquility」を静止画で。。。









Marlene (マリーン)

日本でも人気の高いフィリピン・マニラ出身のジャズ歌手です。
私が社会人になりたての頃ですから、今から10年前・・・、いやっ、20年、いやっ、30年前だった。
とにかくその頃に日本でデビューして「デジャ・ヴー」「ザンジバルナイト」など、外国人ジャズ歌手としては異例のヒットだったと思います。
もっともジャンルはジャズとなっていますが、正確には当時流行っていたフュージョン系の曲であり、ジャズの暗さは無く、ジャズ風味のポップスといった感じでした。

歌っている曲は「ラヴィン・ユー」「やさしく歌って」「ジス・マスカレード」「フィール・ライク・メイキン・ラヴ」など、この手のジャズ歌手としては私的にベストな選曲でした。
アジア人にしては声量があり、やや太めな声は迫力があって、ジャズ入門編にはぴったりなアーティストでした。
現在もいろいろと活躍しているようですが、相変わらずフュージョン系を意識しているようです。









Bei Xu


BeiXuと書いて、ベイ・シューと読む中国出身のジャズ歌手です。
このアーティストを最初に知ったのは、TSUTAYA新宿店で店内にかかっていた「フィール・ライク・メイキン・ラヴ」を聴いた時です。
この曲はジャズ系のシンガーに取り上げられることの多いスタンダードナンバーですが、BeiXuもなかなか魅力的に歌い上げていました。
元々この曲が好きだった私は、すぐにアーティスト名を確認して、その場でレンタルしました。

やや低いトーンで、しゃべるように歌うBeiXuは、なんとなく「私はただの女性シンガーじゃないのよ」的な雰囲気が漂っているように感じました。
ジャズシンガーって、そのような少しばかり上から目線な感じがある方が聴いてる方も上から目線になれて良いですね。(私だけかな?)
受け狙いなベスト物っぽい選曲も、ドップリジャズ派ではない私のような軽いジャズファンにはちょうど良かったりします。