ワールド



世界中に素晴らしい音楽があります。
純粋な民族音楽を聴くほど進んでいませんが、そのような感じの音楽は好きです。





ファウン (Faun)


ドイツのゴシック・トラッド・バンドで、ヨーロッパの中世を感じさせる素晴らしいバンドです。
民族楽器が奏でる繊細で悲しげな演奏に、男性ヴォーカルと2人の女性ヴォーカルがドイツ語でしっとりと歌を乗せています。
全体的には古来のトラッド・ミュージックを基盤としながらも、うっすらとシンセをかぶせたりして、全く古さは感じません。
それどころか最近のゴシック的なダークでアンビエントな雰囲気も満載で、メタル系でないヨーロッパのトラッドバンドではいち押しです。

各メンバーは民族楽器の博覧会かと思えるくらい様々な楽器を操り、曲ごとに繊細であったり、躍動的であったりと、楽しそうに演奏しています。
曲によってはシンセが前面に出てきて、私のようなトラッドバンドにはアコースティックな音を期待してしまう人には、つまらなくなってしまう曲もあります。
しかし、全体的にはうっとりするようなトラッドサウンドを聴くことができる最良なバンドです。


とってもユニークなバンドなので動画を3本。
2人の女性ヴォーカルがとても楽しそうな「Wind und Geige & Iyansa 」




インストナンバーの「Andro」



代表曲「Tinta」







Stellamara


ラテン語で「星」を表す「Stella」と、ガリシア語で「海」を表す「Mara」を合わせて「Stellamara」との名前を持つワールドミュージック・ユニットです。
アメリカのサンフランシスコを中心に活躍しているそうですが、前面に出る美人な女性シンガーのソニャ・ドラクリッチはセルビアとハンガリーの血をひくそうです。
どこがどうなっているのかよくわかりませんが、国際的であることは確かです。
中近東とかヨーロッパの民族音楽をベースに高音域が綺麗な女性シンガーが、雰囲気タップリに歌い上げます。

ワールドミュージックは、総じて聴いてみなければどんな音楽なのかわからないので、買うことよりも新宿か渋谷のTSUTAYAでレンタルすることの方が多いです。
このStellamaraの場合も、マドレデウスと同系統のバンドを探していて、渋谷TSUTAYAで、なんとなく雰囲気で借りたものです。





The moon and the Nightspirit


ハンガリーのネオフォークとか言われるジャンルのユニットです。
アコースティック楽器が中心のミステリアスで幻想的な雰囲気が、民族音楽的でもありゴシック的でもあります。
ヴァイオリン奏者を兼ねる女性ヴォーカルとアコースティックギターの男性ヴォーカルが全体を引っ張り、それにベース、パーカッションが加わったシンプルな編成です。
どうも男女ヴォーカルだけが正式メンバーらしく、作詞・作曲・録音・CDジャケットなどのアートワークを全てこの2人でこなしているようです。

The moon and the Nightspiritのようなゴシック色があり、ダークな雰囲気を出せるアコースティック・フォーク・バンドは数多く存在するのかは知りません。
よってこの手の音楽は、私にとっては現在のところ、このThe moon and the Nightspiritと、ややゴシック色が薄くなりますがFaunくらいしかなく、とても個性的に感じています。










Cecile Corbel (セシル・コルベル)


フランスの女性シンガー&ハープ奏者です。
日本で名が知れるようになったのはスタジオジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」の主題歌を歌ってからだと思われます。
この曲の作詞はセシル・コルベルが担当して、それを日本語に訳され、彼女自身が歌っています。

私が最初にセシル・コルベルを聴いたのは何かワールドミュージックを聴きたくなって新宿TSUTAYAで借りたのがきっかけです。
その時は、たまたま目に付いたのがセシル・コルベルで、何枚か借りたアルバムには「借りぐらしのアリエッティ」は入っておらず、最近になってそのことを知りました。
アルバムにはエンヤやケルティック・ウーマンなどと同様に、ケルト色が強い曲がメインになっていました。
ハープを弾きながら歌っているので、見た目も実際の音楽も癒し系そのものです。
日頃ブルースやメタルなんかを聴いている私も、たまにこんな癒し系音楽が聴きたくなるのです。


動画で「借りぐらしのアリエッティ」(Arrietty's Song )







Azam Ali (アザム・アリ)


イラン出身の民族音楽を基本としたエキゾチックなメロディが特徴な女性シンガーです。
音楽活動はアメリカを本拠地としているようです。
そのせいか曲全体の雰囲気は都会的センスがあふれており、ローカル色満点な民族音楽にはなっていません。
理由のひとつにケルトっぽい音楽で有名なエンヤと同じく、歌部分の録音を重ねる方法て幻想的な雰囲気を作り出すことに成功していることがあります。

色々な民族楽器をバックに、中近東やインドなどの伝統的旋律を高音が美しい綺麗な声で歌っていますが、どの曲も本当に「爽やか」です。
演奏や歌にエレクトロニクスな処理をして、民族音楽独特の「土着的臭い」を薄めています。
そして誰もが聴きやすくアレンジしていることと、美人であることもプラスして、現代ワールドミュージックの代表的アーティストのひとりだと思います。



動画で代表曲「NAMI NAMI」



続いて「The Cold Black Key」







Fejd


スウェーデンの民族音楽をメインにしたフォーク・バンドです。
音楽関連サイトではフォーク・メタル・バンドとなっていることもありますが歪んだギターサウンドはほとんど聴こえません。
多分使ってないのだと思います。
確かにパッと聴いただけでは全体的にメタルっぽく、様々な民族楽器を駆使して、とても厚いサウンドを作っています。
男性ヴォーカルは、このジャンルに多い地声に近い歌い方で(専門的にはこの歌い方に名前があるのかも知れません)、ひとつひとつの音をしっかりと歌っています。

ただ最近のシンセを多く取り入れ、きらびやかなアレンジに慣れてしまったせいか、アコースティックな民族調旋律はどれも似たような曲に聴こえてしまうの聴く側の問題ですかね、やっぱり。
曲では「Gryning」とか、珍しく女性ヴォーカルが入る「lvorna Dansar」なんか良いですね。













マドレデウス (Madredeus)


ファドという民族音楽をベースにしたポルトガルのグループです。
曲名やグループ名は知らなくてもヒット曲「O Pastor」はどこかしらで聞いたことがあるメロディーだと思います。

この手のワールドミュージックと言われる音楽って、気軽にその国なり地域に行った気分になれるのが良いですよね。
なんか現実から離れられると言うか、異空間にワープ出来ると言うか、プチ旅行に行った気にさせてもらえます。
それにマドレデウスはかなりポップな音であり聴きやすいので、私の聴いた数枚のアルバムはどれもBGM的に流せます。

このグループの最大の魅力は女性ボーカルのテレーザ・サルゲイロ だと思います。
透明感のある高音域は素人の私などは手放しに「う、うまい!」と絶賛してしまいます。
そのテレーザ・サルゲイロが歌うメロディーというか独特の音階・旋律には、どの曲も本当に癒やされてしまいますね。


2009-12-27  )