ブルース


大学時代に黒人ブルースにハマりました。
高校まではクラプトンなど白人ブルースロック中心に聴いていましたが、
段々と聴きたいと思うアーティストがいなくなり、
同時に中途半端なブルースでは物足りなくなってきました。

現在ではほとんどのCDショップで純粋なブルースコーナーは無くなってしまいましたが、
当時は数は少ないものの探せばけっこう見つかったものです。
しかし、やはり質量ともに豊富なのは輸入盤専門店でした。
ディスクユニオンやディスクインなど、新宿や吉祥寺などでひんぱんに行って物色してました。




John Lee Hooker(ジョン・リー・フッカー)


「キング・オブ・ブギ」と呼ばれるブギを得意とするブルースマンです。
代表曲は「Boom Boom」、「Boogie Chillen」など、白人ブルースロックのアーティストが好んで取り上げそうなナンバーが多いです。
エリック・クラプトンやローリング・ストーンズなどとの共演ライブ映像がYoutubeなどで紹介されていますが、音がまともすぎてしまい、黒人ブルース独特の素人っぼさというか、生々しさが薄れてしまうような気がします。
やはり昔のブルースマンは弾き語りに近いスタイルが似合います。
バンドだとしても派手な演出はしないでシンプルな構成と音が良いですね。

また1980年の映画『ブルース・ブラザーズ』に出演し、ストリート・ミュージシャンを演じたこともあるみたいです。
だからと言って演技が巧いわけではないのでしょうが、イメージ的にはやっぱりストリート・ミュージシャンがピッタリなのでしょう。



動画で「Boom boom」







キャリー・ベル (Carey Bell)


シカゴを中心に活動したブルース・ハーピスト(ハーモニカ奏者)です。
ブルース・ハープは地味な楽器ですが、1950年代以前は、ギターと並ぶメイン楽器だったようです。
ただ、白人ブルース・シンガーにとっては、必需品といって良いほどです。
ミック・ジャガーやボブ・ディラン、白人ブルース創世記のジョン・メイオール、ポール・バタフィールドなど、ハーモニカを吹かないシンガーはいないくらいです。
ただみんなメインはヴォーカルでハーモニカはサブ的存在です。
純粋なハーモニカ演奏者で有名なのはりー・オスカーくらいでしょうか。

ブルース界でも純粋なハーピストは数えるくらいです。
そんな中でハープ一本で何十年も第一線で活躍しただけで賞賛に値します。
彼にはなんと子供が15人もいるそうで、そのなかにはギタリストのローリー・ベルがいます。
その息子を従えて発表したライブ盤での「Bell's Rock」のハープ演奏は素晴らしかったです。









エルモア・ジェイムス(Elmore James)


1918年生まれで1963年には亡くなってしまったアメリカのブルース・マンです。
特徴は何と言っても荒っぽくかき鳴らすボトルネック奏法で、エルモア・ジェイムスの代名詞となっています。
イントロからいきなり騒音と間違えてしまいそうなボトルネック奏法が印象的な「Dust My Broom」が圧倒的代表曲です。
「Dust My Broom」=「エルモア・ジェイムス」のイメージが強いですが、実はこの曲ロバート・ジョンソンの作品です。
ロバート・ジョンソンのヴァージョンは、アコースティック・ギターで歌われ、エルモアのそれとはかなり違った印象の曲です。

このかき鳴らすようなボトルネック奏法はハウンド・ドッグ・テイラーとか、私が最も好きなブルースマンであるJ・B・ハットーなどに引き継がれ、ブルースギターの定番パターンとなっています。
ロック界でも初期のフリートウッド・マックなどは、エルモアそっくりのアレンジで演奏してました。









Byther Smith (バイザー・スミス)

パイザー・スミスは、シカゴ・ブルース最盛期であり、ロック界でも白人ブルースが大人気だった60年代初めから活動していて、実力があったにもかかわらず、何故か有名にならなかったブルースマンです。
私も最近まで名前すら知らなかったです。
90年代になって発表したアルバム「All Night Long」がヒットしてから、少しは名前が売れたようです。

確かにこの「All Night Long」は、近代ブルースに有りがちなチャラチャラ感があまりなく、まともな黒人ブルースアルバムになっています。
ただあえて言えば、ヴォーカルもギターも普通過ぎるかなとも思います。
ちょっと上手いアマチュアブルースマンが集まって演奏したら、似たような音になりそうです。
個性的な歌や演奏か、曲作りにたけているとかでないと、スターになるのは難しいかも知れません。
でも下手するとブルースという音楽が無くなってしまうのではないかと思えるくらい勢いの無いブルース界なので、細々とでも続けているプレイヤーがいるのは良いことです。



なかなかかっこよいライブ映像がありました。曲は「Judge of honor」







The Aces (ジ・エイシズ)


ルイス&デイブ・マイヤーズの兄弟、フレッド・ビロウらが、地味ながら安定感あるブルースを演奏しています。
もともとブルースシンガーでハーピスト(ハーモニカ奏者)でもあるジュニア・ウェルズのバンドとして結成されたらしいです。
マイヤーズ兄弟のソロアルバムを含めると、かなりの枚数のアルバムを発表していると思います。
ただ、どれも60年代70年代に流行ったヘビーなブルースギターをかき鳴らすような派手さがなく、そのようなブルースマンに比べるといたって地味です。
ある意味、黒人以外の人種に受けるには特徴が無いというか、スター性が乏しいといった感じは否定できません。
但し、とても安心感があってハズレがないのも確かです。
なんだかんだで私もけっこうな枚数を聴いてます。
もともとブルースってギンギンギャンギャンと目立ちたがり屋の音楽ではなく、ジ・エイシズのようにもぞもぞと渋く演奏するものだとも思います。

余談ですが、ジ・エイシズは私が高校時代に英語の勉強に役立ちました。
それは母音の前に「ザ」を付けると「ジ」と発音することです。
何故かこれだけは忘れません。ははは。










Albert Collins


1958
年にデビューしたブルース・ギタリストです。
本来はインストゥルメンタルを中心にしたブルースでしたが、徐々にヴォーカルも担当するようになり、人気も上がっていったようです。
ただ黒人にしては細い声であり、切れるようなギターと比較すると、あまりに普通すぎるので、ギタリストに徹してた方が私としては好きです。
黒人ブルースでは、どうしてもヴォーカルがメインになるので、有名になるためにはヴォーカルは不可欠なのでしょうが、やっぱり「誰かヴォーカリストはいないのだろうか」と感じてしまいます。

何枚かのアルバムを聴きましたが、どの曲が良いとか悪いとかではなく、やっぱりギターは素晴らしいなと感心するばかりで、無意識のうちにヴォーカルは聴かないようにしているようです。
1985年にアルバム「Showdown!」でグラミー賞を受賞。
翌年発表の「Cold Snap」あたりが最も良い作品を作り、知名度もアップした頃だと思います。











ロバート・ジョンソン(Robert Johnson)


アフリカ系アメリカ人のブルースマンです。
100年以上前の1911年生まれので、27歳で亡くなっています。
いわゆるブルースの巨人のひとりなんですが、レコーディングは2回だけ合計29曲のみです。
黒人ブルース界では有名だったのでしょうが、私のような素人ブルースファンでも名を知るようになったのは、後にローリング・ストーンズやエリック・クラプトンなどの白人ブルースロックのプレイヤーが、盛んにロバート・ジョンソンの曲を演奏したからです。
ストーンズのキース・リチャーズがなんかのインタピューで「ロバート・ジョンソンは凄い」と言っていたのを覚えています。
なにしろロバート・ジョンソンの代表曲は「Dust My Broom」「Cross Road Blues」「I'm A Steady Rollin' Man」「Walking Blues」「Ramblin' On My Mind」「Sweet Home Chicago」「Stop Breakin' Down」などなど。
ブルースロックが好きなひとならば、これだけでどれだけ凄いかがわかると思います。











ケブ・モ (Keb' Mo'

完全に停滞している黒人ブルース界に、誰か新しいアーティストはいないかなと例のごとく新宿TSUTAYAで探して見つけたのがケブ・モです。
ジャケットも垢抜けててブルースらしくないと言えばブルースらしくなかったのですが、試しに借りてみました。

音楽自体はジャケット同様に、ブルースと言えばブルース、ブルースらしくないと言えばブルースらしくない。
要はブルース色の強い、洗練されたルーツミュージックって感じですか。

何枚か聴いてみましたが、ブルースの名曲「It Hurtu Me to」のカバーを含むアルバム「The Door」は全曲なかなかの聴きごたえで、ボーカル物としても充分です。


2008-10-10  )











ジミー・ジョンソン (Jimmy Johnson)


ジミー・ジョンソンはあまり黒人らしく無い黒人ブルースマンです。
らしく無いとは、黒人にしては高く細い声で、曲もブルース独特のねっとりした感じがあまりありません。
しかし、逆に白人のブルースバンドのように気楽に聴ける利点もあります。

私の好きなアルバム「JOHNSON'S WACKS」は「撃砕」との日本語タイトルもあり、斧でギターを壊そうとしているジャケットからしてけっこうミーハーっぽいです。
そのアルバムに「テイクファイブ」なるジャズ系のスタンダードナンバーがあります。
ブルースバンドでありながら、この「テイクファイブ」がカッコイいんですよね。


2008-02-01
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エディ・テイラー (Eddie Taylor


めちゃくちゃベテランのブルースマンです。
BBキングとかのクールなアーバンブルースと違い、ジャカジャカとにぎやかなシカゴブルース的曲がメインです。

私の学生時代にはエディ・テイラーのレコードはエルモア・ジェイムスやジミー・リードなんかとのコンビネーションアルバムくらいしか日本版では売っておらず、あとは海賊版だったような気がします。
しかし最近会員になったツタヤのネットレンタルではライブ盤や他のスタジオ盤も扱ってました。
もちろん白人ブルースブーム以降の比較的新しい録音のようです。

そのライブ盤もスタジオ盤も、ブルースの面白さがビッシリと詰まったナイスアルバムでした。
「Mean Old World」や「Crossroad」などおなじみの曲が続き、オーバーではなく一曲たりともつまらない曲が無かったです。
もともとブルースメンは他人の曲をカバーするのは日常茶飯事ですが、ここでの名曲「Blow Wind Blow」はエディ・テイラーオリジナルです。


2010-04-13
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画質の悪い動画ですが、このくらいの方がブルースらしい?