ドゥーム・メタル V


ロックを40年も聴いていると、ジャンルは同じロックでも
実質違うジャンルと思われる音楽にたくさん出会います。

ここではメタルの中でも、テンポが遅く、地を這うようなダウナー感を特徴としている
ドゥーム・メタル系のアーティストを中心にピックアップしました。
ゴシック・メタルと親戚のようなジャンルで、ドゥームのみを演奏するバンドはそれほど多くないようです。




Evoken


このブログの音楽関連記事を集めたサイト「音楽鑑賞40年」に、ドゥーム・メタルのページを作ろうと思い、今までに紹介してきたアヴァ・インフェリなどのドゥーム色のあるバンドを並べてみました。
すると「基本ゴシック・バンド」ばかりになってしまい、なんとなく寂しいかなと思い、最近よく聴く正真正銘のドゥーム・メタル・バンドを紹介することにしました。

まずはEvokenです。
このバンドはフィンランド発で、ドゥームの中でも最も「暗」「死」を連想させるフューネラル・ドゥームに近く、どの曲聴いても同じ様なスローなリズムと絶望感たっぷりなグロウルとギターリフです。
ドゥーム系のバンドにはアルバムの中の数曲が本格的ドゥームで、他はゴシック系の曲で構成するケースが多いようですが、このEvokenは最初から最後まで「ひたすらドゥーム」です。
朝・昼・晩とこんな曲聴いてたらおかしくなりそうですが、甘い音楽を聞き飽きたら悪くないですよ。

2012-07-17



「To Sleep Eternally」









アヴァ・インフェリ (Ava Inferi)



アヴァ・インフェリはポルトガルのドゥーム色が強いゴシック・メタル・バンドです。
ドゥーム系だけあって早いテンポが好きな人には退屈な曲もありますが、ゆっくりとしたゴシック・メタルが雰囲気タップリに流れます。
過度な暗黒性や演出はしないで、メリハリがありながらも淡々と進行していく感じです。

このタイプのバンドでは女性ヴォーカルの実力がそのままバンドの実力につながることが多いですが、アヴァ・インフェリの Carmen Simoes は実力充分で、沈み込んだゴシック色を堪能出来ます。
この様な音楽を聴く時はゴシックな世界にどっぷりつかりながら、ゆったりした気分になると、より一層音がキレイに聴こえます。

「Last Sign of Bacchus」や「Be Damned」などの曲はメタリックなギター音と Carmen Simoes のヴォーカルが音数は少ないものの、絶妙に絡み合った素晴らしい雰囲気となっています。

2012-03-31


かなり気に入っているバンドなので動画を3本ご紹介します。
まずは「Last Sign of Bacchus」。 アヴァ・インフェリの魅力が充満しています。



続いてこのバンドにしてはアップテンポな「Majesty」



最後に「The Living End 」









マイ・ダイイング・ブライド (My Dying Bride)


1990年に結成された、イングランドのゴシックメタル、ドゥームメタル・バンドです。
既に結成20年を越えていて、発表された曲数もかなり多くなっています。
その数多い曲に共通しているのは「暗いこと」です。
しかも、どの曲もヘタすると同じ曲かと勘違いしそうなくらい雰囲気が似ています。
男性ヴォーカルでダークなゴシック・メタルを聴きたければ、このマイ・ダイイング・プライドはいち押しです。

パラダイス・ロスト、アナセマと共に、黎明期ゴシックメタルシーンの中心バンドですが、一番変わらすゴシックを続けている安心出来る(?)ゴシック・メタル・バンドです。
理由ははっきりとわかりませんが、ゴシック・メタルなバンドは長年続けるとデジタル音がピコピコと入ってきたり、明るい曲調に変わったりとアンダーグラウンド色がかなりの確率で薄くなってきます。
元々シンフォニックな音はシンセサイザーを使ったデジタル音がほとんどなので、デジタル自体に抵抗が少ないのでしょうか。
個人的には昔のテクノポップのようなピコピコ音はどうも苦手なので、ヘビーなギター音メインのバンドは好きですね。



動画で「The Songless Bird 」。スローですがこのバンドらしい曲です。



続いて「The Cry Of Mankind」








ドラコニアン (Draconian)


スウェーデンのドゥーム系ゴシック・メタルの代表的バンドです。
アンダーシュ・ヤコブソンのグロウルにリサ・ヨハンソンのクリーンヴォイスが絡む美女と野獣系のデュエットが、テンポの遅い地を這うようなギターリフに絡み付く音はなんとも魅力的です。
以前、ダークを売りにしていたのトリスタニアを更にダークにした雰囲気は一度気に入ってしまうと病み付きになってしまいそうです。
中にはドゥーム系のドローンとした雰囲気が延々と続く曲もあります。
私の場合、気分が乗らない時はドゥーム系の曲は飛ばしてしまいます。

しかし、この様な「物悲しい」「暗黒」「沈み込んだ」イメージが出せるバンドが、どんどん解散したりポップになってしまう中、現役で活躍しているドラコニアンには頑張って欲しいですね。
と言いながらも、最近のビデオを見ると「何だかウケ狙いっぽいなぁ。」と感じてしまいますが・・・。



動画で「Bloodflower」




続いていかにもゴシック・メタルな「The death of hours 」








ノーヴェンバー・ドゥーム (Novembers Doom)


ゴシック&ドゥーム・メタル・バンドです。
このジャンルではめずらしくアメリカ出身ですが、演奏を聴いただけではアメリカらしさは全く感じられず、ヨーロッパ的「暗黒性」「ゴシック性」満載のゴシック&ドゥーム・メタルを作り上げています。
バンド名に「ドゥーム」という言葉が入っている割りには、アップテンポな曲が多いので聴きやすいです。
そして男性ヴォーカルの体型に比例した図太いグロウルが素晴らしく、ヘヴィーなギターリフに合わさって迫力充分です。

パラダイス・ロストやマイ・ダイイング・プライドと同時期の90年代始めから活動しているらしく、なんで名が売れてないのか不思議です。
アメリカだからこの手のジャンルは受け入れられなかったのか、マイ・ダイイング・プライドに匹敵するくらいスゴいと思っているのは私だけで、実はそれほどでもないのかは知りませんが、とても素晴らしいゴシック・メタルなバンドだと思います。



動画で図太いグロウルと体型のヴォーカルが目立つ、アップテンポな「A Eulogy For the Living Lost」








ヴァージン・ブラック (Virgin Black)


オーストラリアのゴシック&ドゥーム・メタル・バンドです。
男性ヴォーカルのRowan Londonが日本のヴィジュアル系バンドに通じるような、ちょっとやりすぎ感漂う色気と共に、暗さと危なさを表現しています。
ゴシック&ドゥーム系にはアンダーグラウンド感漂うバンドはたくさんありますが、ヴァージン・ブラックはそこに叙情的&耽美的な雰囲気をプラスして、怪しさ満点なバンドになっています。

十代の若者でヴァージン・ブラックの「暗さが好き」なんて言ってる人がいたら、ちょっとヤバいかも知れませんね。
マリリン・マンソンのカラッとしたストレートな危険性と違い、湿気たっぷりな世界です。

「Our Wings Are Burning」はそんなヴァージン・ブラックの世界が満載されたとても美しい&怪しい曲です。
この曲に限らすドゥーム系のダラッとしたテンポに、音の強弱やメリハリの効いた楽器の使い方など、全く飽きさせない要素がふんだんに盛り込まれています。



動画で「Our Wings are Burning」



続いてドゥーム・メタルな「God In Dust」







Wooden Stake


Wooden Stakeはアメリカ出身のドゥーム・メタル・バンドです。
オカルト・ドゥームなんて言われているそうですが、言葉がわからないので「音」だけ聴く限りはとても魅力的な雰囲気です。
私の場合、ドゥームは「さぁ、聴くぞ。」と気合いを入れないと聴けないこともあるので、中途半端にゴシックだったりブラックだったりすると気が散るので、Evokenやahabのように、どっぷりドゥームなバンドの方が好きです。

Wooden Stakeはヨーロッパのバンドのように宗教的ではなく、私の好きな黒人ブルースに通じる感じがしてとても聴きやすいです。ジミヘンなんかが演奏してそうな気がしません?
特徴は何と言ってもこのジャンルでは珍しくヴォーカルが女性であることです。ドゥームの特徴である地を這うような雰囲気には、男性ヴォーカルのグロウルは欠かせないとは思いますが、このWooden Stakeのように女性ヴォーカルも気軽にドゥームを楽しむには良いものです。
他にもWitch MountainやAshes You Leaveなど女性ヴォーカルのドゥーム・バンドもそれなりには存在しており、女性ヴォーカル大流行のゴシック・メタルからドゥームに入った私としては、このようなバンドはとても親近感があります。

2012-07-18



お気に入り曲「Salem 1692」









カテドラル (Cathedral)


ドゥーム系のヘビー・メタル・バンドです。
以前はドゥームというと、ダラダラと長く、遅すぎて暗すぎるなど、暗い曲が好きな私でも退屈な音楽とのイメージがありました。
知らない方のためにわかりやすく言うと、クラシックでの葬送行進曲をメタルにして、更にゆっくりと、かつ延々と同じような音が続いていく感じです。
それにデスヴォイスが絡んでくると、まさに「墓場」「死人」そのもので、ホラー映画にも採用されなさそうな暗い音楽でした。
たまたま私が昔に聴いたドゥームが、そんな感じのする曲だったので、そんなイメージを持ってしまったのかも知れませんが。

私が好きなゴシック・メタルとは親戚みたいなジャンルですが、今までドゥームだけは避けていました。

しかし、このカテドラルやドラコニアンなどのドゥーム系のバンドを、ちょこちょこと聴くようになってから、けっこう面白さがわかってきました。
ただしドゥーム風味に味付けしたわかりやすい曲だけですが。

2012-03-15



20年前のライブ映像を本紹介します。







Avrigus


オーストラリアのゴシック・メタル・バンドです。
普通にダーク、普通にゴシックで、華美なゴシック的装飾はせずに、正面からゴシック・メタルを演奏しています。
オーストラリアのバンドって珍しいですが、昔イギリス領だったので文化的にも近いのでしょうかね。
オーストラリアで思い出すのは、以前ハードロック全盛時代のAC/DCが確かオーストラリア出身だったような気がします。
もっともAC/DCとアブリガスとは何の関係も無いと思いますが。

女性ヴォーカルのJUDY CHIARAの声はとても魅力的で、この手のジャンルにはぴったりな声質をしています。
ゴシックらしさを際立たせているピアノも彼女が弾いているらしいです。
曲によってはメタル色はほとんど無く、ゴシック調でダークなヴォーカルチューンもあります。
これがけっこう退屈せずに聴けてしまうところがJUDY CHIARAの実力なんでしょうか。

それにしても「暗い」です。

2012-05-02


動画(ほとんど静止画像ですが)2曲。「Solitude and Salvation 」



続いて「Dark Angels Ascension 」








サイレンティウム (Silentium)


フィンランドのドゥーム色のあるシンフォニック&ゴシック・メタルバンドです。
基本的に重く、暗いメタルを演奏しています。
但し、グロウルを前面にしているわけではなく、男女ツインヴォーカルともに普通に歌っている場合が多いので、聴きやすいゴシック・メタルです。

この手の音楽では定番となっているピアノとヴァイオリンを効果的に使用して、暗いながらもメランコリックな雰囲気を出しています。
同系のアヴァ・インフェリほど沈んだ感じはしないので、ややインパクトが弱い気もしますが、逆にリラックスしながら聴くことが出来るメリットもあります。

YouTubeには個人が勝手に作ったであろう、ゴシックな写真やイラストを使った動画があふれています。
私的にはこれらの動画はあまり好きではありませんが、サイレンティウムの音楽にはけっこう合っているかも知れません。

2012-04-09



そんなゴシック調モノトーンな世界にぴったりな曲「Altum revangelis 」を動画で。