ゴッシク・メタル W


ロックを40年も聴いていると、ジャンルは同じロックでも
実質違うジャンルと思われる音楽にたくさん出会います。

ここでは90年代以降に ゴシック・メタルと呼ばれるアーティストを中心にピックアップしました。
このくらい新しくなるとYOUTUBUにいろいろな動画がアップされています。
その動画もいっしょにご紹介します。




EL CUERVO DE POE


メキシコの女性ヴォーカリストを前面にしたゴシック・メタルバンドです。
歪んだギター音とバイオリンに、高音域が綺麗な女性ヴォーカルとたまに男性グロウルが絡み、わりとシンプルなゴシック・メタルを演奏しています。
最近のゴシック系に多いシンセはおそらく殆ど使っておらず、バイオリンがやや低い音域を効果的に駆け巡っている感じです。
このことが最近のきらびやかな商業的ゴシック・メタルに対して、かえって本物の中世ヨーロッパ的な雰囲気を連想させてくれます。
もっとも「メタル」というだけで中世のはずはなく、近代に決まってるんですけどね。

その代表的な曲として私のお気に入りは「Mascara」です。
イントロの静かなバイオリンから女性ヴォーカルが入り、次に重々しいギター音が追加され、終盤にピンポイントで男性グロウルがかぶさるという構成は、「これぞゴシック・メタル。」と思ってしまうほど素晴らしいです。



動画で「Mascara」



そして「En el Laberinto del Nahual」







Haggard



セリオンやベニュンブラなどと同様、本格的シンフォニック・ゴシック・メタル・バンドです。
ツアーやレコーディングの際に応援メンバーを集めるのではなく、ヴァイオリン、チェロ、フルート、クワイヤなど常時15名以上のメンバーが在籍しているそうです。
この手のシンフォニック系のお手本となるようなバンドです。

オペラティックな女性ヴォーカリストと男性グロウルが中心になっています。
綺麗な女性ヴォーカルとクラシカルな演奏にいきなり図太いグロウルが入ってくるのは、上手く融合しているのかいないのかは、私には専門的なことはわかりませんが、やや無理矢理感があるような気がします。
しかし、流石に実力者揃いらしく、ミュージカル的な楽曲ではとても素晴らしい声で魅了してくれます。
特に男性ヴォーカリストのは映画俳優のような声で、ナレーション的なフレーズでは、男性の声ながら聴き入ってしまします。


ライブ映像で「The Final Victory」



続いてMecanoのカヴァー曲「Hijo de la luna 」







H.I.M


ヴォーカルのヴィレ・ヴァロのユニセクシャルな色気が女性に人気なフィンランドのゴシック・メタルバンドです。
ゴシック・バンドの特徴とも言える「暗い」「地下」などのイメージはあまり感じられないため、ゴシック色のあるロック・バンドというところでしょうか。
自分達の音楽を「ラブ・メタル」とミーハー的に呼んでいることからも、日本で流行っているビジュアル系的なイメージを強く感じます。
外見を知ってしまうと、甘ったるそうな音楽と想像してしまいますが、実際は・・・、やっぱり甘いです。
ただ、メロディはなかなかかっこよい曲があり、演奏もそれなりにメタルしているので、たまに聴くのは充分面白いバンドです。

「Killing Loneliness」や「Wings of Butterfly」など、気楽に聴けるゴシック・メタルとしては名曲レベルだと思います。
フィンランドには、H.I.M.を含む様々なタイプの世界的メジャーなメタル・バンドが存在します。
ノルウェーと共にどうして北欧には素晴らしいバンドが育つんでしょうかね。



動画で「Killing Loneliness」と「Wings of Butterfly」









Ashes You Leave


クロアチア出身のドゥーム系ゴシック・メタル・バンドです。
90年代から活動していて、初期は気だるい感じで歌う女性ヴォーカルをフロントにした典型的ドゥーム・メタル・バンドでした。
この時代に女性ヴォーカルを擁してドゥームを演奏するバンドはあまりいなかったと思います。
ましてクロアチアのバンドですから、間違いなく日本では無名だったはずです。

私もこのバンドを知ったのは最近で、ゴシック・テイストながら、聴きやすいメロディを歌う女性ヴォーカルにフルートが絡む最近のスタイルになってからです。
あまり信用できないブログからの情報ですが、クロアチアではけっこう人気があるらしいです。
これまでクロアチアというと、私としては紛争とミルコ・クロコップくらいしか思い浮かばなかったですが、こんなジャンルでもメジャーな人達がいるんだなと知りました。


動画で「Apathy Overdose 」と「Taints」









Adastreia


女性ヴォーカルを擁するゴシック・メタル・バンドとしては珍しいイギリス出身のバンドです。
このバンドは曲が良いとか悪いとかよりも、アレクサンドラ・マーティンという女性ヴォーカルが美人であることの方が評判のようです。
少なくとも、いくつかのブログを見た限りはどこも彼女の容姿のことが書いてありました。
確かに私もそう思います。

しかし、残念ながらアレクサンドラ・マーティンは最初のアルバムだけで脱退してしまったようです。
彼女が在籍していた時のアルバム「THAT WITHC LIES WITHIN」はけっこう面白い曲が多いです。
「Tempest」や「A new light」など、エピカあたりが好きならば気に入りそうです。
ヴォーカルが代わってからの作品は聴いたことが無いので何とも言えませんが、美人で実力もあるアレクサンドラ・マーティンがそのまま在籍していたらゴシック・メタルの代表バンドになっていたかも知れないですね。











Aesma daeva


アメリカ発としては珍しいオペラティックな女性ヴォーカルを擁するゴシック・メタル・バンドです。
AESMA DAEVAとは悪魔を意味するそうですが、このブラック・メタルっぽい名前の割には初期にはアンビエント色が強い曲が多くなっていました。

しかも、何度かメンバーチェンジしたその女性ヴォーカリストのなかには、セリオンで活躍したLori・Lewisがいます。
元ナイト・ウィッシュのターヤ・トゥルネンと比較されるほどの実力者が在籍していたことでも、並みのバンドではないことがわかります。
他にもMelissa・Ferlaakという、とても美人でオペラティックな歌声はLori・Lewisにも負けないくらいのシンガーがいます。

ただ二人とも声が似ていて、なおかつオペラティックな歌い方は私など素人には、よほど特徴がない限り同じように聴こえてしまうので、どちらが歌っているのかわかりません。

ライブ映像を2本ご紹介します。
Lori・Lewis時代の動画は見つからなかったのでMelissa・Ferlaakのヴォーカルです。











Penumbra (ペニュンブラ)


シンフォニック・メタルのジャンルのなかでは作品数は少ないながらも、頂点を極めた代表的バンドだと思います。
フランス出身で、クワイヤを大々的に取り入れた壮大なサウンドが売りです。
全体的にアップテンポな曲が多く、個人的趣味の「暗さ」があまりないのですが、アルバム「The Last Bewitchment」の最初の曲「Neutral」を聴いただけでもレベルの高さがわかります。
ただ女性ヴォーカルや男女クワイヤの素晴らしさに対して、男性グロウルがやや弱めかなぁと思えるところが残念と言えば残念ですが、この手のバンドの代名詞的存在のセリオンに負けないだけの実力がありそうです。

私の場合、メタルに関する情報は緑川とうせい氏のサイト「ときのながれのなかで」からのものが中心になっています。
緑川氏が「素晴らしい」と評価したら、私も「素晴らしい」と思ってしまうという主体性のないことが多いので、ペヌンブラの場合もその影響が大きいかも知れません。なにしろこのバンドはすごく評価されていたので。。。











Moonspell


ポルトガルで結成されたゴシック・メタル・バンドです。
バンドの中心であるフェルナンド・リベイロの迫力満点なヴォーカルが最大の特徴で、正に「吠える」といった感じのグロウルと、低音域が渋く男らしいクリーンヴォイスを使い分けています。
どちらのヴォーカルスタイルでも硬派なゴシック・メタルで、マイ・ダイイング・プライドを少しばかりハードにしたサウンドです。
ヴォーカルの殆どがフェルナンド・リベイロが担当しており、この手のバンドではお決まりとなっている女性ヴォーカルは、たまにゲストで参加している曲があるだけで、男臭さを売りにした硬派なメタルになっています。

女性ヴォーカルがゲスト参加した曲の代表作が「Scorpion Flower」です。
なんと元ギャザリングのアネク・ガースバーゲンが大々的にフューチャーされています。
曲も最高にカッコ良く、いかにもヨーロッパのゴシック・メタルな曲となっています。









THE 3RD AND THE MORTAL


ノルウェー出身のゴシック・メタル・バンドです。
メタル要素が強かったのは初期だけで、途中から柔らかい感じのヒーリング・ミュージックのようなっていきました。
私としてはそれらの作品はゴシック・メタルとはほど遠く、アンビエント色が強すぎるのでほとんど聴いていません。

ただこのTHE 3RD AND THE MORTALなるバンドは、ゴシック・メタル・ファンにとっては特別な存在であったりするのです。
まずはこの初代女性ヴォーカルのKari Rueslattenの存在です。
アルバム2枚残して脱退してしまいますが、後の「ゴシック・メタル=女性ヴォーカル」を広めたバンドのひとつです。
後を継いだAnn-Marie Edvardsenも素晴らしいシンガーです。また、ゴシック・メタルはデス・メタルの進化型であるとされていますが、デス声(グロウル)が登場せず、プログレ的要素が強いサウンドで成功した珍しいバンドです。









Sarah Jezebel Deva



TherionCradle of Filthにも参加していたSarah Jezebel Devaはゴシック・メタル界では、けっこう有名な女性ヴォーカリストです。
自身のバンド(?)としてはANGTORIAがメジャーですが、おそらく現在はソロで活動していると思います。

ゴシック・メタルではさほど珍しくないスタイルであるオペラティックな歌唱力が持ち味ではあるものの、彼女の存在感を示す最大の要因は何と言っても巨漢女王様キャラの見た目です。
オペラ歌手は体が大きな人が多いですが、プラスしてゴシック調のメイクをするものだから目立つ目立つ。
更にSarah Jezebel Devaを日本語でサラ・イザベル・デヴァとか発音するような気がするのですが、日本の音楽関連のサイトには「デヴァ」を「デブ」と記されています。
これはジョークなのか本当に「デブ」と発音するのか知りませんが、あまりにイメージぴったりなので、すぐに覚えてしまいます。
ただゴシック・メタルは野獣に囲まれた美女的なイメージ、すなわち女性はエンジェル役になるのが一般的なので(私の勝手な思い込み?)、ひょっとしたら損してるかも知れないですね。











Mandrake


女性ヴォーカルのBirgit Lauをメインとしたドイツのゴシック・メタル・バンドです。
とてもわかりやすいメロディラインが特徴で、全体的に重いサウンドではありますが、暗さはあまり感じません。
演奏はしっかりとメタルしていて、たまに男性グロウルが入るところはゴシック・メタルそのものです。
ただ、基本的には流れるような曲調でポップロックでも通じるようなメロディのわかりやすい曲が多くなっています。
少しだけ初期のギャザリングに似ているような気もします。

ただヴォーカルのBirgit Lauはギャザリングのアネクとは違い日本人っぽい声で、低音域から中音域にかけての歌声が小谷美紗子に似ているような気がするのは私だけでしょうか。
autumn infinity」や「Among The Demons」など、普通に親しみやすくて、BGM的に流すにはちょうど良いメタルになっています。











CHALICE


オーストラリアのゴシック・メタル・バンドです。
作詞作曲を別にすると、女性ヴォーカルのShiralee Morganの魅力が最大の売りであるバンドと言っても良いくらい彼女の歌声が秀でています。
逆に言うと演奏陣は上手いのか下手なのか私にはよくわかりません。

オーストラリア出身とのことですが、北欧の香りを漂わせながら、優しさとさびしさをプラスしたゴシック色が心地よいです。
The Calm That Was The Storm」、「Interlunar Dreams」、「Static」などは女性ヴォーカル物として素晴らしい曲です。
デビュー当時はShiralee Morganがゴシック娘らしいファッションで売り出していたそうですが、音楽自体はゴリゴリのゴシック系ではなく、メランコリックでダークな聴きやすい曲がメインです。
ヴァイオリンが中性的雰囲気を強調するところなどはEL CUERVO DE POEに似ています。
ただ、メタルとしての激しさを求めるならば、物足りないかもしれませんね。










Mandragora Scream


イタリアのゴシック・メタル・バンドです。
女性ヴォーカルMorganLacroixを前面に、ややブラックっぽい雰囲気の聴きやすい曲がメインとなっています。
適度にゴシック、適度にメタル、適度にシンフォニックで、適度にブラックと、途半端感がありますが、なんとなくゴシック・メタルを聴きたいときには様々な要素が含まれている分、ちょうど良いバンドかとも思います。